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ブックケース

イギリス

マホガニー材

1920年頃

横幅：181.5cm　奥行：46cm　高さ：126.5cm(天板高112cm)

美しいマホガニー材の杢目が印象的なブックケースです。
イギリスアンティークブックケースとしてはめったに見ないほど横長で、このサイズだからこその存在感があります。
比較的つやが強めであることが高級感をより高めているように感じます。

イギリスアンティーク家具らしい引き締まったかっこいいデザインだと思います。
杢目の美しさを引き立てるためにも装飾は最小限としているのだと思います。
クロッチ杢とも言われる美しい杢目が装飾以上の華やかさと個性を与えていますね。
大きなものが装飾がしてあると存在感が出すぎるとお感じの方も多いのではないかと思います。
良いものほど大型化する傾向のあるアンティーク家具で、良いものと言うのが必ずしも彫刻などの装飾性を指すわけでもないと感じさせてくれます。
大きなものはその自重を支える造りが必要になるので、必然的に良いものであると判断できるのかもしれないですね。

構造としては左右扉はそれぞれ独立していて、中央扉は観音開きになっています。
こうして隔壁があることで横幅のあるサイズでも十分な剛性感を持っています。
各部の材質も厚みのあるものが使われていて、4本の前脚もやや太めであるところもお品としての剛性感(しっかり感)につながっていると思います。
左右扉のガラス部分の装飾は、楕円形を4つひっつけたようにすることでひし形を作り出し、中央扉にはそのひし形部分だけを付けたようになっているデザインがおしゃれですよね。
左右扉のこうしたデザインはゴシック様式に影響を受けたチューダー様式(16世紀頃)で見られるもので、イギリスアンティーク家具の長い歴史を感じます。
脚部分のデザインはテーパードレッグ(スペードフット)と呼ばれる先に行くほど細くなったデザインで、これはエドワーディアン(1910年頃)の頃に流行したデザインです。
エドワーディアンの頃には比較的直線的なシルエットで、彫刻よりも杢目やインレイを使った装飾が流行しました。
伝統を受け継ぎながらその時の流行も取り入れることでこうしたデザインが生み出されていくのだと改めて感じますね。
その流行はその時の技術革新や経済状況や情勢によるものであったり、ひとつ前の流行への反骨(カウンターカルチャー)や前時代への回帰であり、流行の切り替わりも現代とは比べ物にならないほどゆっくりと伝播したんでしょうね。
〇〇様式のようなデザインの流行はあってもその特徴が顕著にあらわれる象徴的なものはあまりなく、回りくどい説明しかできないものだなあとも感じます。
正解がないからこそ個人の想像の入り込む余地があり、それがアンティーク家具の楽しみの一つであり、正解を求めがちな現代ではそんな時間もまた贅沢なことなのかもしれません。

アンティーク調の取っ手をお付けしております。
天板にニスハゲ、天板と上部飾りの間にすき間、側面上部にハリ材のヒビ割れ、扉に反り、棚板の材質が一部異なる、ガラスにキズがありますのでお写真でご確認ください。

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当店ではご注文後に商品のお手入れしております。
ぐらつきがないか、引き出しや扉の開閉チェックなど、経験豊富なアンティークのプロが丁寧にメンテナンスします。
お掃除やワックスがけ、足裏フェルトの貼りつけまで行いますので、受け取ったその日からお使いいただけます。
再販売されるようなプロの業者様も納得のメンテナンスですので、実用面でも安心してお使いいただけますよ。

アンティークフレックス
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