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キャビネット

イギリス

マホガニー材

1910年頃

横幅：137.5cm　奥行：45cm　高さ：150cm(天板高120cm)

華やかな雰囲気のキャビネットです。
左右部分は側面もガラスになった、ショーケース状になっています。
収納棚兼飾り棚として活躍してくれそうですね。
イギリスアンティーク家具らしい上品なたたずまいだと思います。

デザインとしてはエドワーディアン(1910年頃)になります。
最上部の飾りに使われたインレイからもその特徴を感じます。
インレイとは主材に対して異なる材料や杢目を使って絵のような意匠や線状の装飾など様々なデザインを作り出す技法で、その工程により正確には呼び名が異なりますが、当店では総じてインレイと呼んでおります。
日本語では象嵌細工(木象嵌)が一番近い表現だと思います。
イギリスでは17世紀後半ごろをはじめ幾度か再流行している技法です。
模様分だけ彫りこみ、そこに異なる素材をはめ込む技法や、模様を作った薄板を貼る技法(veneer)、幾何学的なシンプルな寄木など何種類かに分かれます。
いずれにせよ非常に手間がかかり、高い技術を必要とする技法で、彫刻とはまた違った魅力があります。
絵のようなマーケットリー(marquetry)から線状になったストリンギング(stringing)、幾何学的なパーケットリー(parquetry)など様々です。
脚部分のデザインをはじめ、全体してもすっきりとしたデザインであることからもエドワーディアンらしさを感じます。
いずれのデザイン様式もそうですが、このお品一点をもってエドワーディアンがどうしたものであるかを理解していただくことは難しく、色々とエドワーディアンのお品をご覧いただければと存じます。
そうしてお好みのデザイン様式が見つかれば、アンティークハンティングもより良いものになるかと思います。

中央部分は円弧型になっていることで光を反射しやすく、そのツヤ感が全体的な高級感につながっていると思います。
インレイはもちろんですが、この部分のマホガニー材の特徴的な杢目も素敵ですね。
彫刻ではなく杢目を引き立てようとしているのもエドワーディアンのお品で見ることが多いですね。
落ち着きと華やかさが調和したイギリスアンティーク家具らしいデザインバランスだと思います。
華やかで流麗な印象のものが多いビクトリアンとはまた違う魅力があるように思います。

少しの傷や汚れはありますが当時としても高級な生地が使われることも多く、まだまだご使用いただけると判断し、扉内クロスは買い付け時のままでのご紹介です。
天板にキズとニスハゲとひび割れ、最上部飾りに補修跡がありますのでお写真でご確認ください。

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当店ではご注文後に商品のお手入れしております。
ぐらつきがないか、引き出しや扉の開閉チェックなど、経験豊富なアンティークのプロが丁寧にメンテナンスします。
お掃除やワックスがけ、足裏フェルトの貼りつけまで行いますので、受け取ったその日からお使いいただけます。
再販売されるようなプロの業者様も納得のメンテナンスですので、実用面でも安心してお使いいただけますよ。

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