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キャビネット

イギリス

オーク材

1910年頃

横幅：100cm　奥行：38cm　高さ：180cm

めったに見かけない(初めて見たと言っても良いほど)珍しいキャビネットです。
扉部分のリンフォールドのデザインやツイストレッグなどアンティーク家具らしいデザインも素敵ですね。
イギリスアンティーク家具らしい落ち着きを感じさせるお品です。
どこを見てそう感じるのか言語化できないですが、一目見ただけで良いお品であることを教えてくれるような独特のオーラとも呼べるものがあるように感じます。
家具材の厚みなどの材料の雰囲気やわずかな違いでしかない下部装飾の精緻さなどを感じ取るんでしょうかね、和箪笥や工芸品などで良いものには共通の雰囲気があるように思います。

冒頭に記載した珍しいと思った点ですが、まずは収納部のレイアウトです。
上部分はワードローブのような大きな木扉があり、その下には2段の引き出しがついています。
アンティーク家具のレイアウトではまず見ないものですね。
収納家具と考えればあってもおかしくないと思うのですが、それは現代人から見た感覚で、当時は必要とする人が少なかったのでしょうね。
お皿や本などを収納する棚はほぼガラス扉になっていますし、やっぱり不思議です。
アンティーク家具を見慣れた方でないとこの不思議さは共感してもらえないかもしれませんが、非常に珍しくめったに出会えないものであるということはご理解くださいね。

そして背の高い収納家具としては薄型と言える奥行きに長めとも言える脚になっています。
シルエットクイズならブックケースと思えるようなシルエットですよね。
ブックケースなら扉はガラスであることがほとんどで、引き出しが2段もついていることもまずないです。
奥行きが浅めなので衣類収納というよりは書籍などの収納棚であったのかなと推測します。
ガラス扉にしなかったことや、下部分を引出しにしたのは当時の依頼者の何かの都合によるものだとは思いますが、他になかなか類を見ないというのは面白いですよね。
ガラス扉と言えばなのですが、ガラス板というのは昔は作るのが大変だったそうです。
聞きかじりの知識ですが、現在のガラス板の作成方法が確立されて均一で大量生産できるようになったのは意外と最近だそうです。(軽く調べたら1950年頃)
アンティーク家具のガラスなどで映った像が少し波うったようになるのはそれ以前の技法が使われているからでしょうかね。
ガラス自体は紀元前からあったそうですがそれまでは板ガラスを作るのは大変で、大きなものを作れなかったことでガラスを継ぎ合わせるステンドグラスが使われるようになったのだとか。
何度かの技術革新がありながら、17世紀頃や1900年代前半にもガラス板の新しい工法が確立されていったそうですが、まだまだ職人さんの技術に依存する面も多かったのだとか。
飛行機や自動車が産声をあげた時代にガラス板は職人さんが作っていたと思うと面白いですよね。
ガラスから連想してあやふやな知識で脱線してしまいましたが、ガラス扉が使われなかった可能性の一つかなと思いお話ししてみました。

内部が見えるブックケースなどは内部がニス仕上げされていることも少なくないですが、こうした収納家具でニス仕上げされているのは多くないと言えますかね。
こうした一手間かけた造りも良いお品ならではと言えるかもしれないですね。

扉にはアンティーク調の取っ手をお付けしております。
無垢材ゆえの週朱肉寄るすき間やひび割れが見られますが、全体としてはきれいな印象です。
側面にカケと合わせ目のすき間と飾りパーツ補修跡、扉にひび割れ、棚板に反り、引き出し前板にわずかな反りがありますのでお写真でご確認ください。

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当店ではご注文後に商品のお手入れしております。
ぐらつきがないか、引き出しや扉の開閉チェックなど、経験豊富なアンティークのプロが丁寧にメンテナンスします。
お掃除やワックスがけ、足裏フェルトの貼りつけまで行いますので、受け取ったその日からお使いいただけます。
再販売されるようなプロの業者様も納得のメンテナンスですので、実用面でも安心してお使いいただけますよ。

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