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キャビネット

フランス

オーク材

1880年頃

幅：83cm　奥行：45cm　高さ：197cm

素晴らしい彫刻のキャビネットです。
フランス北東部(ブルターニュ地方)のものだと思います。
猫脚などの華やかさばかりではなく、地方によるデザインの差などにもアンティークの奥深さを感じますね。
ルネッサンスリバイバルが流行した19世紀中頃、こうした美しいデザインが当時も高い人気であったそうです。

最上部には船の舵を思わせるような装飾がされています。
これはスピンドルと呼ばれる糸巻状のパーツの組みわせで構成されていて、この地方独特の装飾と言えます。
海に面した地方なので船などにも思い入れがあるのでしょうかね。
デザインの由来は別にしても、個性的で魅力的なデザインですよね。
これだけ手の込んだデザインをするほど、当時としての高級品であったことがうかがえます。

こうしたキャビネットはフランス語では、1枚扉タイプをボンティエール(bonnetiere)、2枚扉タイプをアルモワール(armoire)と呼ばれ、食器や食料品、衣類などを入れる収納棚として使われていました。
ワードローブ状の筐体に棚板などがついていて、非常に実用性の高いところも魅力だと思います。
こうした縦長の扉にすることで、デザインとしての自由度も上がり、同じようなシルエットでもそれぞれに印象が異なるところも魅力だと思います。
扉部分にもスピンドルの装飾が使われているのは、食品の保管として通気性が必要と考えれていたためだとか。
買い付け時には裏から板が充てられていて、通気部分はふさがれていますが、これがのちの加工によるものかオリジナルかはわかりませんでした。

扉部分の彫刻も大きな見所です。
上部分には輪になって踊る人々がモチーフとなっています。
楽器のようなものを持っている人はまれに見ますが、お祭りの風景はほとんど見ないですね。
注文者さんにはこのお祭りの風景に特別の思い入れがあったことがうかがえます。
背景の木や地面の表現の細かさにも見とれますね。
その上のアーチ状の飾りは、虹がかかったいるようにも見えてきます。
下の彫刻には楽器を吹いている人たちがあしらわれています。
笛というか管楽器と、バグパイプでしょうか。
これでお祭りの風景は完成したなって感じがしますね。
お部屋にあるだけで楽しい気持ちになりそうな情景です。

扉内はシンプルで、棚板だけで構成されています。
収納棚として様々な用途に使えそうですよね。
集成材の新材になりますが、棚板追加をご希望の場合は、事前にお問い合わせください。

扉には鍵を取っ手代わりとしてお付けしてのお渡しになります。
木の収縮によるすき間やひび割れはありますが、年代を考えれば十分に状態の良いお品だと思います。
背面に少しの虫くい跡がありますのでお写真でご確認ください。

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当店ではご注文後に商品のお手入れしております。
ぐらつきがないか、引き出しや扉の開閉チェックなど、経験豊富なアンティークのプロが丁寧にメンテナンスします。
お掃除やワックスがけ、足裏フェルトの貼りつけまで行いますので、受け取ったその日からお使いいただけます。
再販売されるようなプロの業者様も納得のメンテナンスですので、実用面でも安心してお使いいただけますよ。

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