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サイドボード

イギリス

オーク材

1920年頃

横幅：183cm　奥行：61cm　高さ：116cm(天板高100cm)

横長サイズであるだけでなく、やや深めのお色でどっしりとした印象のサイドボードです。
華美にならない落ち着いた雰囲気はイギリスアンティーク家具らしいかっこよさを感じます。
豪華や華やかという印象を受けることが多いフランスアンティーク家具とは対照的に、装飾性をほどよく抑えた洗練されたデザイン性がイギリスアンティーク家具の魅力だと思います。
真鍮色の取っ手金具がいいアクセントになって全体を引き締めていますね。

装飾性を抑えたと申し上げましたが、それだけにそれぞれの装飾にはこだわりが感じられるように思います。
扉部分は1/4ずつの杢目を貼り合わせることで同心正方形のような杢目を作り出しています。
お色が落ち着いているのでちょっと気づきづらいかもしれませんが、扉が平面であればこそできる意匠だと思います。
アンティーク家具の扉の多くは四方の枠に対して中央に薄板が入ってることが多く、枠部分に厚みがあることで段差ができます。
板部分だけで同様の意匠を施したお品も多いのですが、扉全体にこの意匠がされている点が珍しいと思います。
そのために扉部分に起伏が少なく、独特の印象にもつながっているように思います。
この扉部分は厚みがあり、それだけでも高級感が伝わってきます。
扉内には厚みのある無垢材の底板が使われているのも魅力だと思います。
扉部分は3枚あり、左右の扉内は定番的と言いましょうか、棚板が入った構造になっています。
左右で棚板の奥行きが異なる点も面白いと思います。
中央扉は浅い引き出しが5段も入っています。
カトラリーなどを収納していたのではないかと思います。

現品を触ってみて感じたのは取っ手類の重厚感ですね。
一部が膨らんだデザインになっていますが、ほとんどの場合は内部が空洞と言いますか、お椀のようなと言いますか半球状の内部が空洞になったような造りの取っ手が多いです。
このお品は球形になったふくらみ部分は中までつまっていることで、どっしり感があります。
空洞タイプをより多く見てきたからこそ感じる違いで、多くの方にはこの違和感は共感していただきづらいかもしれませんが、こうした点もこのお品の造りの良さを物語っているように思います。

引出し前面の彫刻も印象的です。
多くの場合は前板をそのまま彫り込むと言いますか、彫刻部分の一番高い点と前板との高さは同じになります。
このお品はいったん長方形型に数ミリほど彫り込んでから、デザイン性のある彫刻がされています。
こうした点もひと手間かっているデザインであり、あまり見ない意匠だと思います。
扉が3枚に対して引き出しは左右2段のみというレイアウトもデザイン的にも面白いところだと思います。
非常に横幅のある引出しながらも、ある程度浅めであることで引き重りもなく、ストレスなく使えそうです。
無垢材が多用されていることからも、良いお品であることがうかがえます。

天板ニスハゲとキズと穴埋め跡とわずかな反りがありますのでお写真でご確認ください。

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当店ではご注文後に商品のお手入れしております。
ぐらつきがないか、引き出しや扉の開閉チェックなど、経験豊富なアンティークのプロが丁寧にメンテナンスします。
お掃除やワックスがけ、足裏フェルトの貼りつけまで行いますので、受け取ったその日からお使いいただけます。
再販売されるようなプロの業者様も納得のメンテナンスですので、実用面でも安心してお使いいただけますよ。

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