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コートカップボード

イギリス

オーク材

1910年頃

横幅：95.5cm　奥行：46.5cm　高さ：121cm

ダークカラーのコートカップボードです。
小ぶりとも言えるサイズながらも、その豊かな彫刻と美しいデザインが魅力だと思います。
造形として見ても各部の彫刻などのデザインを見ても非常に珍しいものだと思います。
本物アンティーク家具のならではの経年による味わいは、小ぶりながらも貫禄を与えています。

コートカップボードは扉や引き出しで構成されたサイドボードのような土台部分の上に、扉(時には引戸であることも)の収納が付いたものをそのように呼んでいます。
特徴的なのは、上部の扉部分は中央部のみについていることが多く、収納部分の横幅に対して扉は小さ目になっていることが多いことでしょうかね。
このお品もそうなのですが、収納部分の側板が斜めに付いている(扉に向かって付いている)のが特徴のと言えます。
例外は多分にありますが、コートカップボードと他の収納家具との特徴的な大まかな違いの説明としてはそのような家具になります。
コートカップボードはデザインはもちろん、サイズとしてもかなり大小さまざまなお品を見る事のあるお品の一つです。
用途としては収納棚とお考え下さい。
コートとはフランス語の「短い」(court)を語源としているそうです。
歴史的には16世紀に流行したので、エリザベス1世の頃になりますかね。

こちらは土台となる部分も少し個性的なスタイルですね。
収納家具でありながらも非常にデザインを重視したものだと思います。
コートカップボードは特有の重厚感があるのですが、長い柱で支えた空間があることで、重厚感を和らげています。
花瓶など背の高いものを飾るための構造であるかもしれないですが、デザイン的理由が大きいような気がします。
サイズが小ぶりであるところも、存在感を出しすぎないようにという意図からではないかと思います。
特に何かをたくさん収納したいという実用面よりは、インテリア性を重視して作られたのかなと推測します。
時代をさかのぼれさかのぼるほど家具は高級品であり、ステータスシンボルのような役割さえ担っていたと思います。
産業革命では石炭を燃料としていましたが、それは薪などの木材資源の枯渇、森林減少による部分もあったとか。
それでも家などの多くの材料は木に依存していたと思います。
そんな面からも家具(木製品)は高級品であったのかもしれないですね。
それほどの意匠を凝らしたくなるような気持もわかるような気がします。

下扉などのアーチや上部分の四角形の装飾からゴシックの影響をより強く受けたデザインだと思います。
そのふち部分に細かな彫り込みがされているのも、ヨーロッパの教会を思い起こすような雰囲気があります。
彫刻には手仕事ならではの味わいもまたなんとも言えず惹きつけられてしまいますね。
こうした面もアンティーク家具らしい魅力だと思います。
一見ダークカラーで重々しい雰囲気になるかと思いきや、扉部分のお花の彫刻などが可愛らしさを演出しマイルドな印象にしてくれています。
真っすぐに伸びた茎に左右対称の葉や花が配置されたデザインは、ゴシックやアーツアンドクラフツのお品で見ることが多いですかね。
上部側面の彫刻はお花の中にお花が描かれていますが、これはチューダーローズを抽象化したものなのでしょうかね。
デザインやサイズ、制作年代までなかなか見つからないお品ですので、ぜひご検討くださいね。

扉にはアンティーク調の取っ手をお付けしております。
全体に虫穴がありますのでお写真でご確認ください。

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当店ではご注文後に商品のお手入れしております。
ぐらつきがないか、引き出しや扉の開閉チェックなど、経験豊富なアンティークのプロが丁寧にメンテナンスします。
お掃除やワックスがけ、足裏フェルトの貼りつけまで行いますので、受け取ったその日からお使いいただけます。
再販売されるようなプロの業者様も納得のメンテナンスですので、実用面でも安心してお使いいただけますよ。

掲載品はすべて店頭にてご覧いただけます!

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