ゲートレッグテーブルのお話
この記事でわかること
ゲートレッグテーブルを一文で表現するなら、側面に垂れ下がった子天板を水平に持ち上げることで拡張し、その天板を回転式の脚(柱)で支えるタイプのサイドテーブルです。
ドロップリーフと呼ばれる構造のテーブルの一つと言えるでしょうかね。垂れ下がった天板を持ち上げて広げるテーブルを講義にドロップリーフテーブルと呼べるかと思います。その中でゲートレッグテーブルの最大の特徴は子天板を広げた時の支えが可動式の脚(柱)である点です。この部分が門のように開閉する様子からゲートレッグテーブルと呼ばれます。

アンティーク家具のダイニングテーブルと比べるとわずかに天板高は低めで、72cmくらいのお品が多いです。お食事用のテーブルとしても使われたようですが、お客様の際などに広げて食器置きテーブルなどに使われることが多かったようです。起源は16世紀から17世紀頃にさかのぼるとされるので、用途やサイズも時代によって変化もしたかと思います。
閉じた状態では薄型のサイドテーブルとして飾り台などとしても使えるところも魅力です。サイズにはいくつかの定番的と言えるサイズがありますが、例外的なお品もある豊富なサイズバリエーションのテーブルといえます。
目次
[ 1 ] そもそもサイドテーブルって?
ゲートレッグテーブルはサイドテーブルの一種と冒頭で説明しましたが、まずはサイドテーブルとは何かの前提をサイズ面からみてそろえたいと思います。
サイドテーブルは天板高は72cmから60cmくらいまででしょうかね。ダイニングテーブルだと高さ75cm、コーヒーテーブル(ローテーブル)は高さ55cmくらいのテーブルと区別する意味でそのように呼んでいます。最長片は100cmから30cmの間だと思います。
使い道はそれぞれ使われる方次第ですが、お品探しではこうした種類分けを知っておくことで探しやすくなる場合もあるかと思います。
[ 2 ] ゲートレッグテーブルとは?
ゲートレッグテーブルとは冒頭の繰り返しになりますが、側面に垂れ下がった天板を水平にすることで天板を広げることができ、その天板を支える可動式の脚(柱)を持つテーブルです。門(扉)の開閉のように脚が動くのが名前の由来です。
元々はダイニングテーブルとしても使われていたようですが、実際に私たちが手に入れることができるお品が作られた時代にはサイドテーブルとしての意味合いが強いように思います。都市への人口流出のような生活様式の変化、紅茶が普及したことなども関係するのかなと思います。ほぼイギリスアンティーク家具でしか見ない点も紅茶文化との結びつきを感じる点です。
臨時のテーブルとして広げて使い、日常的にはたたんでしまって置いたりディスプレイ台のように使うというのは当時も現代の私たちにとっても便利な家具だと思います。ティータイムを楽しんだり、お客様の際の食器置きなどに使ったりといろいろと活躍してくれそうです。
[ 3 ] ゲートレッグテーブルの種類・デザイン
ゲートレッグテーブルのデザインとしては、まずは脚(土台)に着目しようかと思います。その多くはツイストレッグと呼ばれるネジネジの柱であることが多いです。これは大麦(バーリー)で作られるお菓子の形状に似ていることから呼ばれ、バーリーシュガーツイストとも呼ばれます。そのほかにもお団子のような球がつながったようなボールターン、独特の起伏を持つ円筒形に近いようなボビンターンなど、ウッドターニングと呼ばれる木材を回転させて、そこにノミを当てて加工する技術がよく使われます。大部分と言っても良いほどツイストが使われたお品を見ることが多いですね。
天板の形状は多くは楕円形です。横長の楕円であったり、丸に近いような楕円であったりの違いはありますが、ほとんどは楕円形ですね。長方形タイプも見かけることはありますが、単純な長方形ではなく四つ角部分は斜めに角が落としてあることが多いですかね。
その天板に彫刻がされているタイプも存在します。多くはルネットと呼ばれる半月型の彫刻が多いですかね。基本的に浅彫りでテーブルとしての使用感を損なうとは考えづらい程度の彫刻です。
全体のお色としてはややダークと言えるでしょうかね。イギリスアンティーク家具では定番的と言ってよいくらいの濃さです。
[ 4 ] ゲートレッグテーブルのサイズ
ゲートレッグテーブルの高さは72cmくらいであることがほとんどです。先述のサイドテーブルとして定番的なサイズと言えます。1910年頃より古いお品はもう少し低いこともあるのですが、主に流通している1920年頃以降のお品となると同じような高さになりますね。
天板サイズは大きくは3つに分類できます。広げた幅が90cmで奥行き60cmの小型、広げた幅が105cmで奥行き75cmの中型、広げた幅が150cmくらいの大型という3つの大分類になります。実際には例外も多々ありますが、大きいタイプの方がその誤差が大きく、90cmタイプに85cmや95cmがあったりすることは少ないです。90cmより小さいサイズはほぼ見ないくらいですね。アンティーク家具は総じて年々数が少なくなってきているのですが、その中でも中型や大型タイプは見つかりづらくなってきていると感じます。
[ 5 ] ゲートレッグテーブルの注意点・ニスの特性
ゲートレッグテーブルを選ばれる上での注意点は、脚が可動式である点ですね。めったには怒らないと思いますが、脚元に可動式の柱があることになります。これを何かの拍子に蹴ってしまって急にテーブルが閉じるということが全く起こりえないわけではないと思います。実際に聞いたとはないので、可能性のお話に過ぎないですが。立ち上がる際に支えを必要とされる方にもあまりよくないですね。あくまでも収納性を重視した臨時テーブルなので、人の体重を支えるほどの強度はないです。食器を置いたりのお食事には全く問題ないんですけどね。大型のタイプを開閉しようと思うと少しコツがいるというか、子天板自体も重量があるのでちょっと頑張らないといけない点などですかね。もし頻繁に使われる場合はドローリーフテーブルなどのご使用をお勧めします。
水や熱に弱いニスが使われているのはアンティーク家具共通のことであり、ゲートレッグテーブルも同様です。それゆえの味わいや経年変化があることがアンティーク家具の大きな魅力の一つだと思います。木材が経年変化を起こすと分かって作られているということは、それを見越して作られていると考えることもできると思います。経年変化を起こしてこそアンティーク家具は完成するのかもしれません。ランチョンマットやクロスなどを使って大事に使ってあげてくださいね。
[6]閉じた状態でも使える
ゲートレッグテーブルは臨時のテーブルであり、お客様を迎えたときのようなイベントごとの際のサイドテーブルですと説明してきました。しまって時には展示台などコンソールテーブル的な使い方ができるという点にも少し触れましたが、こちらを深掘りしたいと思います。
臨時の際に広げることができるテーブルであれば、しまっておく際はなるべく小さくなることが理想であるように思います。ゲートレッグテーブルものちにサザーランドテーブルと呼ばれるより薄型になるテーブルが登場します。そちらの方が理にかなっているように思いますが、飾り台などのしまった際もテーブルとして使えるという利点はなくなってしまいます。広がるテーブルはダイニングテーブルでは現代家具にもあるようですが、広げても閉じても使えるサイドテーブルはあまりないように思います。
これはゲートレッグテーブルだけが持つ利点と言ってしまっても良いのではないでしょうか。何を飾るか考える時間が必要になります。これはご自身の好きなものや大切に思っていることを考える良い機会でもあると思います。それもまた楽しさであり豊かさであるように思います。慌ただしく過ぎていく日常にそんな幸せな時間を追加してくれるかもしれません。
最後に現在ネットに掲載しているページもぜひご覧くださいね。
https://www.flex-antiques.com/c/sidetable-lowtable/gateleg
ライター
奥村
1999年にアンティーク家具にかかわり始め、工房での修理作業・接客対応10年を経て、現在は商品掲載などのパソコン作業・買い付けを主に担当しています。アンティーク家具愛が強すぎて、複数候補のあるお客様にそれぞれの長所ばかり挙げてしまい、より選べなくしてしまうのが悩み。趣味は釣り・読書・筋トレ(続くといいけど)・料理。

