アームチェアやコファー、デスクをお出迎えいただきましたA様より素敵なお写真をいただきましたのでご紹介させていただきます!
実はA様には何年か前に当店でヴィクトリアンソファやアールデコナイトテーブルを納品させていただいており、今回も前回に引き続きとっても素敵なアンティーク家具たちをチョイスしていただきました。


今回お選びいただいたアンティーク家具たち、実は3つともかなり珍しいアイテム。
コファーはどこかオリエンタルなデザインを色濃く反映したお品で、非常に興味深い彫刻が魅力です。
家具にアジアのデザインを取り入れることは数百年前からあったことなので、これもまた家具デザインの変遷の1つだと思います。
エキゾチックな雰囲気がなんとも言えず素敵で、コーヒーテーブルのように使っていただいているのもかっこいいです!
デスクは足先のイルカの彫刻から、ドルフィンデスク・ドルフィンテーブルなどとも呼ばれるお品です。
良いものほど大型化する傾向のあるアンティーク家具の中で、ほど良いサイズ感と言えるかと思います。
A様にもこのサイズ感を気に入っていただきました。
テーブルランナーをかけていただいていると、さらに格式高い雰囲気になってとってもかっこいいですね。
また、これだけの彫刻がされているアームチェアもめったに見つけることのできないものだと思います。
中でもプチポワンの生地が張られたものは10年ぶりくらいになるかもしれないです。



座面生地の図案はフランスのパリにあるクリュニー中世美術館(Musée de Cluny)所蔵の6枚の連作タペストリー「貴婦人と一角獣」をモチーフとしたものではないかと思います。
6枚の連作タペストリーはそれぞれ、六つの感覚を示したものとされているそうです。
「味覚」、「聴覚」、「視覚」、「嗅覚」、「触覚」、そして「我が唯一つの望み」(A mon seul désir)という6つで、このアームチェアに使われている図案はそのなかの「聴覚」にあたるものですね。
以前パリで中世美術館を訪れた際にそのタペストリーを見たときの感動は今も鮮明に覚えているのですが、貴婦人、ユニコーン(一角獣)、ライオン、可愛らしい動物たちと草花が描かれ、その独特な赤色の背景が強く印象に残っていました。
その記憶があったためかこのアームチェアを見た際にこの赤色の背景を見てふと「貴婦人と一角獣」が頭をよぎりました。
旗に描かれた紋章(3つの三日月)を見て、まさにそれがモチーフなのだと確証を得たときは思わず胸が高まりました。
もしかするとこの「聴覚」以外の5つの図案を採用したチェアもどこかに存在していたのだろうか?と妄想が広がります。
プチポワンで描かれた動物たちはどこか可愛らしさが増していて、それもまたこのアームチェアのチャームポイントだと思います。
フランスにとって宝物とも言えるタペストリーの図案を採用したフランスアンティークチェア、なかなか出会えるお椅子ではありません。
以前よりお持ちであったスツールもそれに似合う生地に張替をしていただきとてもいい雰囲気に!
全体を通してA様の好きがすごく反映されたような、好きなものをたくさん集めた空間だからこその魅力というのが伝わってくるお写真です。
素敵なお写真をお送りいただきましたA様、改めましてありがとうございました!