ドローリーフテーブルのお話
この記事でわかること
ドローリーフテーブルを一文で表現するなら、大天板の下に収納された小天板を水平方向に引き出すことで拡張するダイニングテーブルです。
各天板は土台にはめ込みになっているものがほとんどで、大天板は真上に持ち上げるだけで外すことができます。土台自体は分解できないので小さくして運ぶことはできませんが、天板を外して軽くなることで搬入や移動もしやすくなります。アンティーク家具のダイニングテーブルとしては一般的と言える構造で、サイズやデザインは多様です。少しせり上がりながら広がるので、片側だけ広げることができるタイプがほとんどです。

ドローリーフテーブルという言葉を初めて聞かれる方も少なくないかもしれません。家具の名前や種類は家具を買う時にしか興味がわかないですよね。それはアンティーク家具に限った話ではないかもしれません。アンティーク家具は難しいと思われる方に少しでも助けになれば幸いです。
アンティーク家具は例外だらけとも言えるので、あくまでもご参考までにとお考え下さいね。大量生産にはないそれぞれの個性とお考えいただければと思います。そんなこともあり、お店によっても多少の見解の違いはあるかと思います。ダイニングテーブルは希望のサイズや使用人数を想定したうえで探される方が多く、そのうえで納得のデザインとなると候補は自然と絞り込まれることが多いです。そうした意味では選ぶうえでそれほど知識は必要ない家具かもしれないです。初めてのアンティーク家具や、アクセントしてアンティーク家具を取り入れたい方に選ばれることが多い家具の一つだと感じます。
買ってみたけど結局ドローリーフとはなんだったのかと思われている方や、ドローリーフテーブルについて深く知りたいと思われる方は目を通して見てくださいね。ドローリーフテーブルの中で個別具体については商品ページで解説しておりますので、あくまでも一般論をお話していきますね。
目次
[ 1 ] そもそもダイニングテーブルって?
ドローリーフテーブルはダイニングテーブルの一種と冒頭で説明しましたが、まずはダイニングテーブルとは何かの前提をそろえたいと思います。ダイニングテーブルはお食事をするためのテーブルでしょ?とお思いかと思います。ここではサイズ面で共通する特徴を持ってダイニングテーブルと定義したいと思います。用途は使う方それぞれなので、お食事に使われることが多いテーブルで、それ以外に使うこともあるかと思います。
当店でダイニングテーブルと呼ぶお品は基本的には天板の高さが75cm以下になることはまずないです。この前提があったうえで、比較的大きめ(長辺が1メートルを超える)のテーブルをダイニングテーブルと呼んでいます。少し高さが低くなる(72cm以下くらい)とサイドテーブル、さらに低くなる(50cmくらい)をローテーブルと呼んでいます。
ダイニングテーブルの定義のようなものはこんな感じになります。その中でもドローリーフテーブルはほぼすべてがこの定義に当てはまります。例外には目をつむって、一般的なお話を進めていきますね。余談ですが、ドローリーフテーブルで例外があるとすれば高さではなく天板サイズの方ですかね。広げても1メートルを超えないようなミニドローリーフテーブルがごくまれにあります。
[ 2 ] ドローリーフテーブルとは?
ドローリーフテーブルとは冒頭の繰り返しになりますが、拡張機能を持ったダイニングテーブルの一つで、2層構造になった天板を引き出して広げるタイプになります。
天板は本体部分にはめ込みになっている(接着やビス固定などはされていない)ので、天板を真上に持ち上げるだけで天板を外すことができます。完成品を見ると拍子抜けするくらいシンプルな構造ですが、そのアイデアは素晴らしいですよね。よくできているからこそ広く普及し、アンティーク家具のダイニングテーブルにドローリーフテーブルが多い理由の一つだと思います。あとは年代的に都市化が進んでコンパクトにできることの価値が増したという側面もあると思います。広がらないよりは広がる方がいいのは、どんどん機能が増えていく現代のスマホでもそうですよね。家具の中で大きさを変えることができるなんてほとんどないですからね、目新しさもあったのかと思います。
ダイニングテーブルをお探しであれば、候補の主軸として頂きたいお品と言えますかね。広がらないタイプは当店ではリフェクトリーテーブル(食堂のテーブル)と呼ぶことが多いですかね。そうした他のダイニングテーブルについてはまたの機会にお話しできればと思っています。
[ 3 ] ドローリーフテーブルの種類・デザイン
ドローリーフテーブルのデザインのお話として、まず選択肢として分かれるのは2本脚か4本脚かという点になってくるかと思います。2本脚は比較的脚は太めで柱の部分がどんなデザインになっているかが分かれ目となりますかね。4本脚は脚はそれよりは細めで猫脚かツイストレッグであることがほとんどです。脚の本数によって大きく印象が変わるように思います。それぞれをもう少し説明しますね。
2本脚タイプは柱部分はブルボーズレッグ等のどっしりとした装飾がついているタイプが多いです。椅子に座るときも脚が邪魔になりづらく座りやすいのもメリットだと思います。そのほとんどはイギリスアンティーク家具で、落ち着いた雰囲気のお品が多いですかね。四角形を2点で支えることになるので、極端に大型のテーブルではあまり採用されない(現存はしづらい)デザインです。広げて180cmまでくらいであればこちらのタイプの方が人気と言えますかね。
4本脚タイプは主にフランスのドローリーフテーブルで見かけることが多いです。猫脚の中でも比較的すっきりとしたデザインのタイプが多いですかね。イギリスアンティークではツイストレッグやクィーンアンのお品で見ることがありますかね。四角形を4点で支える安定感があるため大型のドローリーフテーブルでもよく見かけます。
[ 4 ] ドローリーフテーブルのサイズ・国ごとの違い
イギリスのドローリーフテーブルはいくつかの定番的なサイズがあります。90cm×90cmの広げて150cmの正方形タイプ、110cm×80cmの広げて170cmなどの長方形タイプになります。長方形の方はもう少しサイズに個体差がありますが、おおよそこれくらいに大別できます。それらとは別に例外的なサイズも色々と見かけます。拡張天板もニス仕上げされているのも特徴だと思います。なんでもイギリスのドローリーフは通常時は広げて、小さく片付けたくなった時に縮めるのだとか。ポーカーをする時だけ縮めるとも聞きましたが、おしゃれすぎて疑わしく思っています。
フランスのドローリーフテーブルは150cm×100cmの広げて250cm、170cm×100cmの広げて290cmくらいが多いですかね。ダイニングチェアとセットで見つかることが多いのも特徴です。拡張天板はデザインとしては簡素に作られていることもしばしばです。これはお客様やパーティーをするときなどに拡げて、テーブルクロスをかけるので拡張時の姿はあまり考えてないためだとか。
お客様ごとに色々なサイズを探されるのでなるべく様々なサイズを買い付けるようにはしているのですが、どうしても定番的サイズが多くはなってしまいます。上記のサイズ以外で探しているテーブルを見つけた時にはぜひその好機を捕まえてくださいね。
[ 5 ] ドローリーフテーブルの注意点・ニスの特性
ご使用されるうえで、アンティーク家具には1点注意していただきたい面があります。特にテーブルで問題となるのですが、水や熱に弱いということです。商品ページのニスハゲがあるなどの記載がありますが、これはアンティーク家具で用いられるニスの特性によるものです。
ニスとは主に透明で、着色した上から塗る被膜のような役割をするものです。ツヤが出るとともに汚れなどから守ってくれる役割があります。現代ではウレタンニスやラックニスと呼ばれるものが使われいます。
シュラックニス(セラックニス)と呼ばれるもので、天然の素材を使ったニスになります。カイガラムシから分泌される物質をアルコールに溶かすことでニスになります。バイオリンやチョコレートの艶出しにもつかれます。前述の現代で使われるニスに比べると被膜が薄いのが特徴の一つです。そのおかげもあり、木が呼吸することができ、経年変化を起こしやすいことでアンティーク家具特有の魅力を感じさせてくれます。
そうした多大なメリットもあるのですが、水拭きができないというのはデメリットと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。ついうっかり冷たいコップを放置してしまって結露によって輪ジミができてしまったり、アルコールを溶剤とすることでお酒をこぼしてしまうとニスハゲしてしまいます。テーブルクロスやランチョンマットなどを使うことでニスハゲを防ぐことができますので、ドローリーフを検討されている方は、併せてクロスなども探されることをお勧めします。シミがついても気にしないという方もいらっしゃり、私もどちらかというとそうした考えです。
[6]雑記
ドローリーフテーブルは伸ばすことができるというのが最大のメリットだと思います。年末頃になるとお父さんお母さんからおじいちゃんおばあちゃんに転職された方が、ドローリーフテーブルを探しに来られることがあります。椅子はとりあえずでなんとかできるけど、テーブルだけは大きなものに変えないと対応できないですよね。色々幸せな状況の方がいらっしゃいますが、ことさら幸せそうに見えるお客様ですね。将来家族が増えるご予定のお二人とか。幸せをおすそ分けしてもらっています。そんな大事な記念であり思い出が積み重なっていくドローリーフテーブルもまた幸せだなあと思ってしまいますね。アンティーク家具の中でも毎日使うことになる家具の一つでもあり、それはお部屋の中心に置かれることも多いのではないでしょうか。インテリアでもありますが、毎日を共に過ごす相棒として、特別なひと時の思い出として、使うほどに味わいが増し、キズもいつしか愛着に変わっていってくれるのではないでしょうか。水熱に強く使いやすい現代のテーブルも利点はありますが、共に過ごした時間を刻んでくれるテーブルを使ってみるのも良いのではないでしょうか。
最後に現在ネットに掲載しているページもぜひご覧くださいね。
https://www.flex-antiques.com/c/diningtable/drawleaf
ライター
奥村
1999年にアンティーク家具にかかわり始め、工房での修理作業・接客対応10年を経て、現在は商品掲載などのパソコン作業・買い付けを主に担当しています。アンティーク家具愛が強すぎて、複数候補のあるお客様にそれぞれの長所ばかり挙げてしまい、より選べなくしてしまうのが悩み。趣味は釣り・読書・筋トレ(続くといいけど)・料理。

